僕を8年間泣かせ続けているcolorfulという映画を見てほしい
唐突に何か記事を書きたくなったので自分のお気に入りの映画について軽く感想を
colorful カラフル
正式名称はこれでいいのかな
監督は原恵一でクレヨンしんちゃん(ジャングルとかオトナ帝国とか戦国とかの監督、脚本、絵コンテやってて、ヤキニクロードの脚本、絵コンテもこの人で、他も色々やってる)とか河童のクゥとかで有名な人ですね
2010年8月公開ということで今から8年前になるのか…
当時1人で劇場に赴いた思春期真っただ中の自分にドンピシャで刺さってわんわん泣いて他のお客さんの迷惑になってたと思います
その後はTSUTAYAで何度か借りた後にBlu-ray版を買いました
自分にあまり反抗期が来なかったのはこの作品が影響してると思います
かなりの回数見てると思うんですけどしっかり毎回泣かせてくれます
自分はこの作品に全幅の信頼を寄せていると同時に自己啓発的な側面を見出していて、色んな時に見ます
大事な日の前日とか、悩みがあるときとか、泣きたいときとか、死にたくなったときとか、自分が泣けるのか確かめたいときとか
ほんとに色んなきっかけからディスクを取り出します
どんな映画かと言われると難しくて
家族愛、友情、恋愛
色んなかたちの愛情について繊細に丁寧に描かれている映画だと思います
話が進むにつれて画面いっぱいに愛が反射してカラフルな世界を描いてくれて
それでいて映画としてかなり日本的で良い素朴さを持っています
この記事は映画カラフルについてのものなので森絵都さん原作小説のカラフルについては敢えて言及しませんが、この小説も大変素晴らしいです
映画を見て好きと思ったなら是非とも読みたいです
自分は映画→原作小説の順番でしたけどこれで正解だと思っています
そしてもちろんこの映画が僕に刺さったからといって今この記事を読んでるあなたに刺さるとは限らないでしょう
ただこの映画が僕を公開から泣かせ続けている事実がある同時に、これからも僕を泣かせ続けるでしょうし、いつまでもずっと僕に共感させてくれることは想像に難くないです。
これから自分が好きなアニメ映画、あるいは好きな映画を訊かれたとき、未来永劫この作品を挙げることと思います。
本当に色んな人に見てほしい作品です。
自分が好きだったりお気に入りだったり印象的に思うシーンをあげます
具体的な本編に踏み込んだ感想になるので
もし読んでくださるならば一度映画に目を通してからにしていただきたいと思います
◎最初、目を覚ますとこ
5~6分あたり
目をゆっくり開いて部屋の眩しさに1回瞬きをしてからカッと目を開ける
泣きじゃくる声をともにめちゃくちゃゆっくりパンダウンしたら布団なめに顔を覆っている両親
起きていきなり知らない人の泣く声がしてたらめちゃくちゃびびりますよね
この恐る恐る見てみる感がすごく好きです
◎朝食シーン
19分あたり
顔を微動だにせずパンをいちいち皿で受けてから手に持って食べる一連の動きが
わかんないけどなんか好き
◎晩御飯シーン
22分くらい
中央上に照明、机に彩りのある料理があり、一見華やかに見える画面も
両サイドに影を入れるだけで仕上がりが全体的に重く、暗くなっています
◎ひろか初登場シーン
32分くらい
めちゃくちゃ可愛い
距離感が近い感じとかココアシガレットを咥え直す表情とかすごくいい
この少し後にも美術室にひろかが来るシーンがありますけどそこも同じくらい可愛いし良いシーンです
というか美術室のシーンは総じて良い
◎早乙女くん登場シーン
45分くらい
神キャラの登場
初めてくらいに真が穏やかな笑みを浮かべる
何回か見てるとここにめちゃくちゃ味を感じるようになってくる気がする
◎現場を見てしまうシーン
50分くらい
ジッポライターを取り上げられてむすっとした顔を浮かべるひろかが可愛すぎる
真のモノローグとも相まってかなり陰気なシーンになってますね画面も気のせいか他より薄暗く感じます
この後二人で走るシーンがありますがここと一連だと思っていて
静と動がうまく切り替わっていてそこまで含めて好きです
ここからは先は正直何度見てもきついシーンが続きますね…
あまり好きとは言えないです
◎早乙女くんと駅で会って二人で歩く
1時間7分
ここから廃線になった駅の跡を2人で巡るシーンが続きますがここは本当に良い
この作品の真髄というかじんわりと良さが伝わってくる感じが見ていて色々な感情が生まれてくる
◎河川敷で話す2人のシーン
1時間15分あたり
「向いてるかどうかわかんねーけど、俺は今がいいな
やなこといろいろあっても今がいい」
100点のシーンです
劇伴含め綺麗すぎる
◎靴屋のシーン
1時間18分くらい
赤面しながら入る真を客も含め店にいる人が笑って迎え入れるシーン
優しさで溢れていて見逃せない
この後のコンビニで肉まん分け合うシーンまでかなり好き
後ろでずっと流れてるテーマが反則すぎる
釣りのシーンはその前の自室で過去のスケッチを発見するシーンが
不穏な感じがしてかなり苦手なのとちょっと先の母が灯油を入れてるインサートっぽいところもいたたまれなくてあまり好きじゃないですね
「ねぇ…釣れたの?」
「全然」+モノローグ
のシーンはかなり重要な部分ではあると思うのですがやっぱりちょっと苦手です
でもラーメン屋のシーンは好きです
ここからは畳みかけというか僕がこの映画を好きな理由とかがめちゃくちゃ詰まっている最終盤ですね
ここからずっと全部好きです
◎絵の前にいるひろかを見つけるとこ
1時間32分
涙と黒い絵具を合わせる”ベタ”な演出ひろかに合いすぎててめちゃくちゃ好きです
この後のシーンもめちゃくちゃ好きなので書き起こします
「おかしいの、ひろかおかしいの。狂ってるの。
綺麗なものが好きなのに、すごく好きなのに、時々壊したくなる。
ひろか変なの、頭おかしいの、狂ってるの。」
「そういうことってあるよ。ひろかだけじゃない。」
「え?」
「この世でもあの世でも、人間も天使もみんな変で普通なんだ。
頭おかしくて狂っててそれが普通なんだよ。」
「時々うんと残酷になるの。ひろかだけじゃない?」
「みんなそうだよ、みんな。
人間は一色じゃなくいろんな色を持ってるんだ。持ってていいんだ。
綺麗な色もきたない色も。」
「そう?」
「そうさ、僕だってどれが自分の色か分からなくてずっと迷ってた。」
「ひろかね、三日に一度はしたいけど一週間に一度は尼寺に入りたくなるの。
贅沢して長生きしたいけど、一日おきに死にたくなる。
ほんとにひろか変じゃない?」
「全然普通。平凡すぎるくらい。
でも死ぬのだけはやめた方がいい。」
「死なないよ、ひろか。ふふ」
ひろかの言うことにめちゃくちゃ共感出来ると同時に真のひとつひとつの返答が素晴らしい。
何回も泣いたシーンです。
後ろでかかってる”手紙 ~拝啓 十五の君へ~”がこれまた絶妙。
◎晩御飯シーン
1時間43分くらい
絶対に泣くシーン。記事書いてる今も涙ぐんでる。
「約束したんだ。」
「え?」
「早乙女くんと約束したんだ、同じ高校に行こうって。」
「お友達?」
「お前、そんなんで高校決めんのか。」
「僕の、初めての友達なんだ。初めて出来た友達なんだよ。
僕、恥ずかしいけどクラスで浮いててもういいやって自分でバリア貼ってて、
でも早乙女君がいろいろ話しかけてくれて、靴買いに行ったり、一緒に受験勉強をしたり、楽しくて。
だから早乙女くんと一緒の高校へ行きたいんだ。他にも友達作りたいんだ。
友達と騒ぎながら学校に行ったり、帰りにどっかへ寄り道したり、僕は高校でしたいのはそういうめちゃくちゃ普通のことなんだよ。」
本当にそう。当時の友達がいない自分はめちゃくちゃ泣きながらめちゃくちゃ頷いた。
全部言ってくれたと思って。
満がそんなんでって言ったけどそんなんじゃなくて真にとってはバカでかいことなんですよね。
このシーンに8年間泣かされ続けています。
鍋を熱がりながら食べる真を見て涙ぐむ母も卑怯です。
そして食卓をズームアウトしていく画面
上に書いた22分の晩御飯シーンと見比べてほしいんですけど両サイドの影が取れることで一見色としては地味な鍋がそこにあっても画面が色づいて見えてきませんか?
真の、家族のわだかまりがなくなって家庭に光が差したような感じがしますね。
このシーンのせいか屋上でプラプラと話すところはフラットな状態な見ることが多いですね。
◎早乙女くんと自転車で橋まで競争しているシーン
2時間ジャストあたり
ラストですね
母に買ってもらったダウンを着てマフラーを巻いてるとこが良いですね
エンディングのmiwaさんが歌う青空もイメージソングの僕が僕であるためにも
どちらも本当に素晴らしい
2曲ともカバーですがこの映画のために書かれたものかと思うくらいしっくりきます。
早乙女くんがめちゃくちゃ良いキャラで出てるシーンは全部好きってくらいなのと
ひろかがとんでもなく可愛いってことですね
この2点だけは伝えたいです。
ではまた次の記事で。